2019年に北海道から中国に一時帰国した際、スパイ活動に関与した疑いで拘束、起訴された元北海道教育大教授、袁克勤氏(66)の長男、成驥氏(29)は12日、札幌市の北海道大で講演し、「なぜ父が拘束されなければならないのか」と父の無実と早期解放を訴えた。
成驥氏は、袁氏の拘束から2年半以上が過ぎたが、中国当局から理由が明らかにされず、起訴後の裁判も開かれていないと説明。「これまで面会すらできない。すべてが不明のまま」と話した。
中国政府は、袁氏が日本の情報機関の要求に従い活動していたと主張している。
講演は1941年に北海道帝国大(現北海道大)の学生らが軍機保護法違反で有罪判決を受けた「レーン宮沢事件」から80年となるのに合わせた集会で行われた。
レーン宮沢事件では、男子学生が広く知られていた軍飛行場の存在などを米国人講師夫妻に語ったのが「スパイ行為」に当たるとされた。