プロ野球通信

ロッテの佐々木朗〝投げ抹消〟で終盤に飛躍「達成感を得られた」

プロ野球のCSファーストステージの開幕投手を任されたロッテの佐々木朗希=ZOZO(土谷創造撮影)
プロ野球のCSファーストステージの開幕投手を任されたロッテの佐々木朗希=ZOZO(土谷創造撮影)

今季プロデビューを果たしたロッテの2年目、佐々木朗希投手。クライマックスシリーズ(CS)ファーストステージでは、開幕戦の先発を任されるなど、一気に投手陣の柱へと成長を遂げた。佐々木朗は「やりがいを感じた。緊張はしたけど達成感を得られた」と充実した1年を振り返った。後半に開花した背景には、先発ローテーションに組み込まず、間隔を空けて先発させるチーム戦略があった。

佐々木朗は今季、5月16日に1軍デビュー。11試合に登板し、3勝2敗、防御率2・27、63回⅓を投げ、68三振を奪った。序盤は打ち込まれる場面もみられたが、後半は安定感が増していった。手応えをつかんだのは、9月10日の楽天戦(ZOZOマリンスタジアム)だという。憧れの存在だった田中将と投げ合い、8回2失点と好投。「すごく自信になり、余裕を持って投げられるようになった」。マウンドでの振る舞いにも風格が出てきた。

プロ野球のCSファーストステージの開幕投手を任されたロッテの佐々木朗希=ZOZO(福島範和撮影)
プロ野球のCSファーストステージの開幕投手を任されたロッテの佐々木朗希=ZOZO(福島範和撮影)

10月14日のオリックス戦(京セラドーム大阪)では6回無失点で勝利投手となり、優勝へのマジックを点灯させた。CSファーストステージの開幕投手を任された11月6日の楽天戦(ZOZOマリンスタジアム)では6回4安打1失点(自責0)の好投をみせ、試合を作った。この試合ではプロ入り後最速となる球速159キロを計測。シーズン序盤よりも数キロアップし「スピードが出た分、投球自体も少し楽になった」と振り返った。

岩手・大船渡高時代に球速163キロをマークし「令和の怪物」と騒がれた。鳴り物入りで入団した1年目の昨季は慎重な調整が進められた。一軍に帯同してはいたものの、登板機会はなし。周囲の厳しい意見も耳に入ったに違いない。それでも「自分のやるべきタイミングがあると思っていた。そのときまでコツコツやり続けた」と静かに出番を待った。

今季、チームはシーズン終盤まで優勝争いを演じ、自身も戦いの輪に加わった。「試合では緊張したが、いい投球ができた後は達成感があり、今までにないくらいやりがいを感じた。相手のレベルが高いから緊張も大きくなっていると思うので、その中でいい投球ができたのは成長した部分」と収穫を口にした。

後半に伸びた要因の一つには、チーム独特の投手起用法がある。負担軽減のため、救援陣は基本的に前半は連戦での3連投以上はさせない方針を貫いてきた。救援陣の頭数が必要になるため、佐々木朗ら1年間、ローテーションを守った経験のない先発は、登板した翌日に出場選手登録から外す「投げ抹消」を採用した。井口監督は「若手を1年間、万全な状態で先発させるのが一つ。その空いた枠で、中継ぎを1人増やして回すことができた」と意図を説明した。佐々木朗も「みなさんほどの疲労度はない」と話し、終盤は中6日で登板して大事な試合でチームを引っ張った。

今季の目標だった「1軍での勝利」は達成。来季に向けて佐々木朗は「ある程度、試合を作った中で、今季の2倍近くの登板数を投げたい」と意気込みを語った。3年目、さらなる飛躍が期待される。(運動部 神田さやか)

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