花田紀凱の週刊誌ウォッチング

(852)外交ボイコット、問われる「日本の覚悟」

北京冬季五輪の対応について、記者団に答える岸田文雄首相=7日午前、首相官邸(酒巻俊介撮影)
北京冬季五輪の対応について、記者団に答える岸田文雄首相=7日午前、首相官邸(酒巻俊介撮影)

嵐、櫻井翔クンの文章力には舌を巻いた。

『ニューズウィーク日本版』は3・16号でも「東日本大震災から10年 いま伝えたい『3・11の記憶』」という櫻井クンの優れたリポートを掲載した。

あんまりうまいので、その時、編集担当の小暮聡子さんに確認したが、全部本人が自ら書いたという。

今号(12・14)は日米開戦80年を期して「戦争の記憶」。12ページ。

海軍主計少佐(死後1階級特進)、櫻井次男(つぎお)、昭和20年3月29日、ベトナム東海岸沖で乗っていた海防艦が撃沈されて戦死した大叔父(祖父の兄)の生きた証しを「遺族」のひとりとしてたどる――。

〈一度も会ったことのない、亡き親族の1人を突如「身内」に感じた(中略)自分とは関係のない「遠いいつかの時代」。そんな白黒の世界が、たちまち色鮮やかなカラーとなり、自分の正面に「ドンッ」と置かれる感覚を覚えた〉

そこからのスタートだった。

次男氏がサイゴンで最後の航海に出る前の情景が切ない。

〈さあ、任務を果たして日本へ戻ろう(中略)まだ見ぬ、エンゲを……フィアンセを探そう〉

次号の後編が楽しみだ。

北京五輪、アメリカやオーストラリアが外交ボイコットを表明したにもかかわらず、モタつく岸田文雄総理。

このへんは『週刊新潮』(12月16日号)が抜かりなく特集。「『WTA』が満天下に示した『習近平』の御し方」のなかで「日本の覚悟」を問うている。

〈「とにかく迅速に態度を表明すること。いま打ち出さなければ〝中国には民主主義があり、台湾はその領土で、ウイグル人を迫害などしていない〟という彼らの言い分を認めることになる」(ジャーナリストの福島香織氏)〉

『週刊文春』(12月16日号)の左柱は「『生きているうちに会うことは二度とない』長嶋一茂が明かしたミスターと絶縁13年」。

スクープかと思ったら、月刊誌『ゲーテ』(幻冬舎)最新号に掲載された長嶋一茂氏、連載エッセーの紹介。

取材は拒否されたようだ。

(月刊『Hanada』編集長)