岸田文雄首相は10日、石原伸晃内閣官房参与(64)が辞任したと明らかにした。石原氏が代表を務める自民党支部が昨年、新型コロナウイルス対策の雇用調整助成金(雇調金)を受け取っていたことへの批判が高まっていた。
首相は記者団に「公正な手続きにのっとった受給だが、混乱を生じることで首相の職務執行に迷惑をかけることは本意ではない、と辞任の申し出を受けた」と説明。自身の任命責任については「混乱は否めない。その点については申し訳なく思う」と語った。雇調金の受領は大岡敏孝環境副大臣が代表を務める自民党支部でも判明し、首相は「説明を尽くしてもらわなければならない」と述べた。
先の衆院選で落選した石原氏は3日に観光立国を担当する内閣官房参与に起用されたが、直後に代表を務める党東京都第8選挙区支部が雇調金約60万円を受給していたことが判明した。