<独自>デジタル「壁」撤去へ政府5原則、年内決定

デジタル社会に対応した規制や制度の在り方を議論する政府の「デジタル臨時行政調査会(デジタル臨調)」の改革の基本指針「デジタル原則」の全容が10日、判明した。デジタル化の足かせになっている書面提出や対面、目視を義務付ける制度や規制を見直し、デジタル技術を活用できるようにすることが柱。今月下旬のデジタル臨調で決定する。来春をめどに一括的な規制見直し計画を策定し、必要な法改正を検討する。

岸田文雄首相が11月のデジタル臨調の初会合で年内に原則をまとめるよう指示していた。原則は、デジタル化に向け現行の法律や制度を見直す際に通底する基本的な考え方で、①デジタル完結・自動化②機動的で柔軟なガバナンス③官民連携④相互運用性の確保⑤共通基盤の利用-の5項目を示した。

「デジタル完結」では、建築基準法や消防法などの目視や定期点検を義務付ける規制や制度について、リスクを考慮しつつデジタルでの対応を可能とすることを目指す。具体的には、高精度のカメラやドローン、赤外線センサー、人工知能(AI)の活用が想定される。建設業法といった常駐義務の見直しも検討する。

不具合が生じる度に改善していくIT業界の手法を取り入れ、利便性の高い行政サービスの提供を優先する「機動的なガバナンス」も目指す。民間が開発したアプリやウェブサービスを公共サービスでも使いやすくする仕組みも整える。

また、官民で適切にデータを活用できるようシステム間の相互運用性を確保。デジタル基盤やベースレジストリ(台帳などの社会の基本データ)は官民で共通基盤を利用すると示した。新型コロナウイルス禍では10万円の特別定額給付金のオンライン手続きがうまく機能せずに支給が遅れた面があり、行政のデジタル化の遅れが顕在化していた。

デジタル臨調は計画をまとめる作業と並行して、デジタル化の障壁となる政令や省令、通知など、すぐにできるものから見直していく方針だ。