イラク駐留米軍、戦闘任務を終了 IS、親イラン民兵などが勢いづく懸念も

米軍が駐留するイラクのアサド空軍基地=1月(AP)
米軍が駐留するイラクのアサド空軍基地=1月(AP)

【カイロ=佐藤貴生】イラク駐留米軍は9日までにイラクでの戦闘任務を終了した。米英などで構成する有志連合軍のサイトで同日明らかにした。今後はイラク治安部隊に対する助言や訓練に専念する。8月末のアフガニスタンからの撤収完了に続く活動縮小で、周辺国への軍事的威圧を強める中国への態勢を整える狙いとみられる。

イラクには約2500人の米兵が駐留している。ロイター通信は欧米の軍事筋の話として大規模な兵力削減は行われない見通しだと伝えた。近年は米軍の戦闘への関与は減少していたとされる。

米軍は2003年に始まったイラク戦争の終結により11年に完全撤収したが、イスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」(IS)の勢力拡大を受けて14年から駐留を再開。17年にISを壊滅状態に追い込んだ。今年7月、バイデン米大統領とイラクのカディミ首相が会談し、年末までに戦闘任務を終了することで合意していた。

イラク治安部隊の幹部は、ISの再台頭を許さない「能力を示してきた」と強調し、今後の治安維持に自信をみせた。ただ、ISは今年に入って首都バグダッドで爆弾テロを行うなど勢力回復の兆しをみせている。

イランと連携するイスラム教シーア派民兵組織も攻撃手段をロケット弾から無人機に切り替え、米軍駐留施設などへの攻撃を行ってきた。民兵組織は駐留米軍に年末までに撤収するよう要求しており、治安の不安定化を懸念する声も出ている。