日本大学は10日、所得税法違反容疑で前理事長田中英寿容疑者(75)が逮捕されたことなどを受け、東京都千代田区の本部で記者会見を開いた。理事長を兼務する加藤直人学長(70)は、田中容疑者と「永久に決別」し、退職慰労金を支給しない考えを示した。背任事件の舞台となった関連会社「日本大学事業部」は清算し、外部有識者を中心とする「再生会議」を立ち上げて、ガバナンス(組織統治)体制の見直しを図る。
東京地検特捜部が背任事件で9月に強制捜査してから、日大が公の場で説明するのは初めて。加藤学長は冒頭、前理事長逮捕や背任事件は前代未聞で「学生や教員、保護者らに心よりおわび申し上げる」と謝罪。背任事件が起きた要因については、理事会の形骸化で監督体制が不十分となり「コンプライアンス(法令順守)が徹底されていなかった」と述べた。