さいたま市や埼玉大などは13日から、予約制乗り合いタクシーの実証実験を埼玉高速鉄道浦和美園駅(同市緑区)周辺で行う。スマートフォンをバッグやポケットに入れたまま決済ができるアプリを全国で初めて導入し、効果や課題を検証する。
決済アプリは、ペイレスゲート(大阪市北区)が開発した「Smart Wallet」。事前に定額乗車券を購入しておけば、スマートフォンと車両側の端末が自動で通信して認証が完了する仕組みだ。支払い時の煩雑さをなくすことにつながり、運行の遅れの回避も期待できるという。
実証実験は、環境負荷を抑えるために地域の「足」を自家用車から公共交通に転換させることを目的とした取り組みで、今年3~4月に続いて2回目となる。前回は現金やクレジットカードなどによる支払いに限定されていた。
今回の実験は、市内のタクシー会社の車両2台を用いて来年2月13日まで実施する。利用者は電話か専用のアプリで事前に予約した上で、39カ所ある乗降地点で乗り降りする。運賃は1回あたり大人300円、子供150円で、乗り放題の定額乗車券(1日分、15日分、30日分)も用意する。
市は本格的な運行への移行を模索しており、担当者は「サービスの実現に向けた知見やデータを得たい」と話している。(深津響)