固定資産税の負担軽減 商業地のみ継続

令和4年度の与党税制改正大綱には、新型コロナウイルス感染症拡大の影響などで、今年度に導入された土地にかかる固定資産税の負担軽減措置は住宅地と農地は終了し、商業地のみ税額の上昇幅を半減させる形で継続することが盛り込まれた。

商業地の負担軽減が延長となったことを受けて、不動産協会の菰田正信理事長(三井不動産社長)は「経済の底割れを防ぎ、持続的で確実な成長を実現するための不可欠な措置と認識しており、高く評価している」とのコメントを発表した。

固定資産税は土地や建物にかけられる地方税。地価が上がれば納税額も増える仕組みで、3年に1度見直される土地の評価額を基に計算される。納税額の急激な増加を抑えるため、地価上昇時の税額は、前年度の課税標準額に土地の評価額の5%分を上限に加算されるルールだが、4年度税制改正では、商業地に限り、この加算される上限を2・5%分に半減する。

商業地のみ負担軽減措置を継続するのは、ホテルや商業施設などでは、新型コロナの影響が今も色濃く残るためだ。政府の緊急事態宣言などで人の流れが抑制されたことで、保有資産が十分に活用できていないという事情もある。

税制改正の議論では、地方税である固定資産税が市町村税収の4割を占めることから、自治体の財政事情に配慮する総務省などは商業地を含めて予定通り軽減措置を終了させたいと考え、自民党税制調査会も軽減措置の延長に反対した。

しかし、公明党税調と国土交通省は、廃止すれば4年度は全商業地の約6割が増税になるとして負担軽減を訴えた。

意見の隔たりは大きく、与党税制改正大綱がまとまる直前まで折衝が続いたが、住宅地と農地については従来通り地価の上昇分を反映することにし、商業地については自民党が公明党などの主張に歩み寄る形の決着となった。