11月に99歳で死去した作家で僧侶の瀬戸内寂聴さんをしのぶ会が9日午後、京都市右京区の自宅兼事務所「寂庵」で開かれた。亡くなってからちょうど1カ月。法話の会場などとして親しまれた寂庵で、ファンが瀬戸内さんに最後の別れを告げた。
午前中から記帳して開始を待つ列ができ、門前で手を合わせる人もいた。
戒名に当たる法名は「燁文心院大僧正寂聴大法尼」。「輝く」「光る」を意味する「燁」の字が用いられている。
瀬戸内さんは1973年に得度し、翌年、寂庵を結んだ。月1回の法話の会には抽選で選ばれた約150人が詰め掛け、狭いお堂がいっぱいになる盛況ぶりだったが、新型コロナウイルス感染症の広がりを受け昨年2月から中止が続いていた。
瀬戸内さんは体調を崩して今年10月に京都市内の病院に入院。11月9日に心不全で死去した。