自民埼玉県連、参院選で迷走 候補公募を2日で撤回

来年夏の参院選に向けた自民党埼玉県連の対応が迷走している。埼玉選挙区(改選数4)で、現職1人に加えて2人目の立候補予定者を公募すると6日に発表したものの、わずか2日後にその方針を撤回したのだ。公認候補を1人に絞るべきだという判断を党本部から突きつけられ、〝朝令暮改〟の醜態をさらした。

埼玉選挙区で与党は、自民党の関口昌一氏(68)、公明党の西田実仁氏(59)の両参院議員会長が改選を迎える。野党系の改選議員は、無所属で前埼玉県知事の上田清司氏(73)だけで、共産党は新人で元衆院議員の梅村早江子氏(57)を立てると決めている。

令和元年の参院選から改選数が1増えたことを背景に、自民党県連内では、関口氏とは別に党公認候補1人を立て「与党3議席」を狙う主戦論が強まり、立候補予定者の公募を始めた。

ところが、党本部から待ったがかかった。遠藤利明選対委員長らは「2人擁立」に強い難色を示し、7日、県連に対し党本部から「公認申請があってもおそらく認められない」という通告があった。これを受け県連は8日に緊急の役員会を開き、公募を取りやめることを決めた。

党本部が首を縦に振らなかったのは、共倒れのリスクを無視できなかったからだ。埼玉県全体をエリアとする広大な選挙区で2人がともに当選を果たすための「票割り」の作業の難しさは並大抵ではない。候補者同士が支持者を奪い合う展開は避けられず、仮にそろって勝利したとしても、選挙戦後に禍根を残す可能性はきわめて高い。

加えて、自民党との選挙協力に影響が出ることを懸念した公明党からも「2人擁立」方針への反発が起き、自民党県連は決定を白紙化せざるをえない状況に追い込まれた。

国政選挙での候補者選定をめぐり党本部と地元の意見が対立するのは特段珍しいことではない。ただ、水面下での根回しや調整が不十分なまま、見切り発車で公募を始めてしまった経緯はお粗末というほかない。(中村智隆)