オミクロン株よそに大勢の観光客 NY繁華街

1日、米ニューヨークで、点灯された巨大クリスマスツリー(AP)
1日、米ニューヨークで、点灯された巨大クリスマスツリー(AP)

【ニューヨーク=平田雄介】新型コロナウイルスの新たな変異株「オミクロン株」の感染が広がる中、ホリデーシーズンを迎えた米ニューヨーク市に大勢の観光客が戻っている。市内中心部のロックフェラーセンターはこの週末、風物詩の巨大なクリスマスツリーを背に、目抜き通りの5番街を挟んで建つ高級デパートのイルミネーションを眺める人だかりができた。

屋外だから「3密」ではない。だが、オミクロン株は、感染力の強いデルタ株と比べても「再び感染する力が3倍は強い」とする報告もある。マスクを外している人も目立った。

女性連れの男性に「感染が気にならないのか」と尋ねると、男性は「ワクチン接種済みだから、感染しても重症化する可能性は低いんじゃないか」とそっけなく答え、距離を取った。せっかくの楽しい気分に水をさしてくれるな、と言われたような気がした。新たな脅威が迫るときでも合理的に判断し、楽しむときは楽しむのが米国らしい。

ただ、この時期に雑踏を訪れるのはそもそも警戒心の低い人ともいえる。土産物店を営むケビン・チェンさん(28)は「州外から来る観光客は危機感が薄い。軽はずみな行動で感染が急拡大しないか懸念している」と率直に話した。

「自分は大丈夫」という接種完了者の楽観論は、国民の信頼の厚いファウチ国立アレルギー感染症研究所長の「既存ワクチンはオミクロン株に対してもかなり有効なはずだ」という発言が根拠になっている。

そのファウチ氏が「最も脆弱(ぜいじゃく)」と懸念するのは今もワクチンを接種していない人たちだ。米疾病対策センター(CDC)によると、全米で少なくとも1回接種した人は71・1%で、約3割が未接種のまま。接種率が比較的高いニューヨーク市でも住民の22・4%は一度も接種していない。

事態を受け、デブラシオ市長は6日、「全米初」という民間企業へのワクチン接種の義務化を発表し、対面で働く従業員の1回目の接種を今月27日までに終わらせるように約18万4千の事業者に求めた。

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