ディーゼルバス「電気」に改造 西鉄、来年北九州に導入

福岡市東区のアイランドシティで導入されている西日本鉄道の電気バス
福岡市東区のアイランドシティで導入されている西日本鉄道の電気バス

西日本鉄道が、二酸化炭素(CO2)排出削減に向け、中古のディーゼルバスを電動化した「レトロフィット電気バス」を来年、北九州市内に導入する。現在試験的に電気バスを導入している福岡市内に続き、住友商事と台湾最大手の電気バスメーカーが新たに開発した車両を使って実証実験を本格化させる。中古車両を改造して電気バスの普及につなげる先駆的な取り組みで、低炭素社会実現に向けたモデルケースとなることを目指す。

 取材に応じる西日本鉄道の林田浩一社長
取材に応じる西日本鉄道の林田浩一社長

林田浩一社長が9日までの産経新聞の取材に「来年早々には北九州市内に(レトロフィット電気バスを)配置し、実際に走らせて性能をチェックする。うまくいけば他のバス会社にも朗報だと思う」と語った。

「レトロフィット」は旧型の機械などを改造して新機能などを追加することを意味する。実証実験に使用する車両はディーゼルバスのエンジンを撤去した後、リチウムイオン電池を搭載する。フル充電時の走行可能距離は現在試験導入している車両の数倍となる150キロを想定し、既存ディーゼルバスに比べ57%の二酸化炭素削減効果が期待できるという。

実証実験は住友商事と連携して実施する。北九州市内の小倉-黒崎間の約14キロでの導入を予定し、1回の充電で走行可能な距離や、充電時間、冷房中の負荷などを具体的に確認する。

西鉄は昨年以降、福岡市東区のアイランドシティでも電気バス2台を試験導入し有効性を検証している。電気バスはディーゼル車に比べて導入コストが高いという課題がある。西鉄が新たにレトロフィットバスとして打ち出す電気バスは、台湾メーカーの協力を得て改造され、従来型より走行可能距離が長く、コストも抑えられるのが特徴。そのため他のバス会社にノウハウを提供しやすく、電気バスの普及につながると期待される。

2030年度の温室効果ガスの排出量を13年度から46%削減する政府目標を踏まえ、バス会社も脱炭素化の対応が求められている。電気バスは環境負荷軽減に寄与する車両として導入事例が増えており、採用が加速する可能性がある。

西鉄は来年には脱炭素化への数値目標を定めるロードマップを策定する予定で、持続可能な公共交通の構築に向け取り組みを加速する。(一居真由子)