「民主主義サミット」でのバイデン米大統領=9日、米ワシントン(ロイター=共同)
「民主主義サミット」でのバイデン米大統領=9日、米ワシントン(ロイター=共同)

【ワシントン=塩原永久】バイデン米大統領は9日、米国主催の「民主主義サミット」で演説した。中国やロシアなど権威主義国が国力を増強し、抑圧的な政策を強めていると懸念を表明。世界の民主主義諸国が「私たちを結びつける価値のために立ち上がらなければならない」と述べ、法の支配や人権、表現や信教の自由などを擁護するために力の結集を呼びかけた。

オンラインで開かれたサミットの冒頭、バイデン氏は中露を念頭に「権威主義者たちが世界で影響力を増し、抑圧的政策や慣行を正当化している」と指摘。約110のサミット参加国・地域に向け、会議を「私たちの民主主義を強化し、権威主義を押し返す」契機にしようと語った。

また、国際人権団体などがまとめた世界各国での自由や民主的価値の進展度に関するデータが後退していると説明。米国自身も不完全だと認めたうえで、民主主義的な政治・経済体制を不断に刷新する努力が必要だと強調した。さらに「米国が模範となる」と語り、世界の民主主義体制を率いる指導力の発揮を誓った。

これに関連し、米国が海外で民主主義体制を強固にするための外交活動や外国支援に充てる資金として、約2億2400万ドル(約255億円)を来年に支出する方針を示した。議会と協力して進めるという。

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