聖徳太子没後1400年 第5部②

時を超え敬愛した最澄 和の精神、混迷の世を照らす

法隆寺夢殿に安置されている国宝の救世観音菩薩像。毎年春と秋に開帳される=奈良県斑鳩町
法隆寺夢殿に安置されている国宝の救世観音菩薩像。毎年春と秋に開帳される=奈良県斑鳩町

京都と滋賀の境にそびえる比叡山(ひえいざん)。古来、王城鎮護の霊山として信仰され、広大な寺域を持つ天台宗総本山の比叡山延暦寺(えんりゃくじ)(滋賀県大津市)がある。その中心地区にある大講堂では毎年4月22日、聖徳太子をたたえる法要「上宮太子講式」が営まれる。天台宗と太子には深い関係があるのだ。

日本に天台宗を開いた平安時代の高僧、伝教大師(でんぎょうだいし)・最澄(さいちょう)が太子をあつく信仰したという。なぜか。

太子は慧思の生まれ変わり

「最澄からさらに(時代を)さかのぼる太子は日本仏教のおおもとを築かれた」と語るのは延暦寺の清原徹雄・教化部主事。「天台宗で重要な法華(ほけ)経に着目され、あらゆる人々を救う教えを重んじて、実践された」と強調する。「日本書紀」は推古14(606)年、太子が「法華経」などを講じたと記している。

最澄は中国・唐へ渡って天台宗を学び、帰国後の弘仁7(816)年、太子が建立した大阪の四天王寺に参詣した。そこで、「太子は慧思(えし)(中国天台宗祖の一人で法華経に精通した)の生まれ変わり」という伝説に触れる。自身をその系譜に連なる仏法上の子孫と位置づけて、詩を奉納した。以来、太子信仰は天台宗の伝統となったという。

救世観音の化身とも

現存最古の最澄像を含む一乗寺(兵庫県加西市)の国宝「聖徳太子及び天台高僧像」(10幅、平安時代)に注目するのは阿部泰郎・龍谷大教授だ。

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