くら寿司「Z世代」スシロー「米国風」 同時出店

店員の制服もアメリカンな「スシロー ユニバーサル・シティウォーク大阪店」=8日、大阪市此花区(田村慶子撮影)
店員の制服もアメリカンな「スシロー ユニバーサル・シティウォーク大阪店」=8日、大阪市此花区(田村慶子撮影)

2大回転ずしチェーンのくら寿司とスシローが9日、「コロナ後」を見据えた都市型店舗を同時に出店する。くら寿司は、流行や消費の新たな担い手と期待される「Z世代」(10代後半~20代前半)向けの旗艦店を東京・原宿に開店。スシローは若者やファミリー層をターゲットに、初の米国風の店を大阪市此花区にオープンする。ともに今後のインバウンド(訪日外国人客)回復も狙う。

ただ、新型コロナウイルスの感染状況が落ち着いても、外食市場はコロナ前の規模に戻らないと指摘される。巣ごもり需要で伸びる食品スーパーなど他業種との争いも激化が予想され、外食ならではの「顧客体験」をどこまで高められるかが、成否を分けそうだ。

くら寿司が原宿で出す店は、ロボットが自動で生地を焼き、店員が客の前でトッピングを仕上げる「クレープ屋台」を初めて導入。店員の制服にはピンクのTシャツを採用した。

 「くら寿司 原宿店」で限定販売されるクレープ。SNSに親しむ若者の写真映えを狙う(くら寿司提供)
「くら寿司 原宿店」で限定販売されるクレープ。SNSに親しむ若者の写真映えを狙う(くら寿司提供)

原宿の街を眺めながら食事できるカウンターやテラス席も用意。「Z世代を狙い〝世界一映える寿司屋〟を目指す」と田中信副社長は意気込む。

スシローを運営するFOOD&LIFE COMPANIES(フード&ライフ)が、テーマパークに隣接する商業施設ユニバーサル・シティウォーク大阪内に出す「スシロー ユニバーサル・シティウォーク大阪店」は米国風すし店。

看板にローマ字で「Sushiro」と記し、店員の制服は黒と赤のシャツに。限定メニューとして「ロール寿司」も用意した。

同店を運営するあきんどスシローの堀江陽社長は「スシローのうまさや魅力を世界中に発信したい」として、コロナ後のインバウンド需要にも期待を見せた。

コロナ禍で閉店した居酒屋などの跡地に都市型店舗を広げるくら寿司とフード&ライフ。

リクルートライフスタイル(東京都)の調査・研究機関、ホットペッパーグルメ外食総研の竹田クニ・研究員は「飲食店の需要がコロナ後に戻ってもイートインは7割程度しか戻らない」とし、「限られたパイを取り合う競争は業態の垣根を越えて激化する可能性がある」とする。

こうした中、今後飲食店に求められるのは家庭の食卓では再現できない店内の雰囲気やサービスといった外食ならではの楽しさだ。

こうした観点でいえば、2社の新店舗はいずれも内装デザインやメニューをこの店だけの限定したものとしたうえでテーマ性を際立たせている。「そこでしか得られないカスタマー・エクスペリエンス(顧客体験価値)を重視した店づくりであり、それが顧客に受け入れられるかが成否のカギとなる」と竹田氏は指摘している。(田村慶子)


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