朝鮮、台湾への徴兵制実施(朝鮮・昭和19年、台湾・20年)については、前回(11月24日付)書いた。両地では、それ以前に、それぞれ、「志願兵制度」が導入されている。
朝鮮では、13年4月から、陸軍特別志願兵制度が導入された。19年度版『朝鮮事情』(朝鮮総督府編)によれば、採用前に入所する訓練所への志願者は採用3000人(17年度以降は4500人)に対して、16年度に約14万人、17年度は25万人を突破。18年度の競争倍率は実に50倍余りにも達したという。
最初の13年度の場合、6カ月間の訓練所生活を終えた後、《現役歩兵として最初の志願兵の中、約半数は北支に従軍し、一般兵に伍(ご)して何等(なんら)遜色(そんしょく)なき武勲を立てて居(お)り…》(19年度版『朝鮮事情』から)と説明されている。一方、朝鮮における海軍特別志願兵制度は18年に導入された。