関西スーパー逆転勝利もH2Oとの統合はいばらの道

大阪市内の関西スーパーマーケットの店舗
大阪市内の関西スーパーマーケットの店舗

関西スーパーマーケットの経営権をめぐる争奪戦は、一転して流通大手のエイチ・ツー・オー(H2O)リテイリング側が勝利することとなった。関西スーパーの子会社化を目指したオーケー(横浜市)は法廷でさらに争う方針だが、関西の食品スーパー業界を襲った業界再編の波はしのいだ格好だ。H2Oは半月延期した12月15日に統合を実施する予定だが、統合の具体的な効果については示せておらず、今後もいばらの道が待ち受けている。

「ホワイトナイト(白馬の騎士)になりきれなかったばかりか、統合計画にみそをつけてしまった」。H2Oの関係者は、オーケーからの買収圧力から関西スーパーを救う役割を期待されながら十分に応えられず、争いが混迷したことを自虐的に語った。

H2Oの荒木直也社長は食品スーパー事業について、百貨店事業に次ぐ「第2の柱」に位置付ける。まずは傘下スーパーのイズミヤと阪急オアシスの経営効率化を優先し、令和6年度以降に本格的に関西スーパーとの統合効果を出す想定。だが、具体的な経営戦略は「今後の宿題」として明言していない。

10月末に統合案が可決された関西スーパーの臨時株主総会では、株主から業績の悪いH2O傘下の2スーパーとの統合効果を疑問視する声が相次いだ。

帝国データバンク大阪支社の昌木裕司情報部長は「消費者に選ばれるスーパーになるため、庶民的なイズミヤ、高級路線のオアシスに王道スーパーの関西スーパーを含めたすみ分けがうまくできなければ統合の意味がない」とする。

統合が順調に進めば、H2Oは傘下に売上高4千億円規模の食品スーパー連合を収めることになるが、厳しい見方も多い。

流通アナリストの中井彰人氏は「スーパー経営のノウハウを持たない百貨店が、スーパーを経営して成功した試しはない」と指摘。特に生鮮食品の運用が難しく、百貨店とチェーン展開するスーパーでは全く別物という。