中国、外交ボイコットの拡大警戒

工事が進むも五輪モーグル会場=11月20日、中国河北省張家口市(ロイター)
工事が進むも五輪モーグル会場=11月20日、中国河北省張家口市(ロイター)

【北京=三塚聖平】バイデン米政権が北京冬季五輪の外交的ボイコットを発表したことに対し、中国側は対抗措置をとると即座に表明した。五輪が新たな火種となり、米中対立がさらに激化するのは避けられない。米国が民主主義陣営を主導して対中批判を強める中、中国はボイコット論が広がることに神経をとがらせている。

在米中国大使館の劉鵬宇報道官は6日、米国が外交的ボイコットを発表した後、ツイッターで「来ても来なくても誰も気にせず、北京冬季五輪の成功に全く影響はない」と反発した。米中両国は、貿易やハイテク、安全保障など幅広い分野で対立を深めているが、五輪が新たな対立点になるのは避けられない情勢だ。

米側がボイコットの理由とした新疆ウイグル自治区での「ジェノサイド(民族大量虐殺)」批判にも、中国外務省の趙立堅報道官が7日の記者会見で「世紀の噓だ」と非難した。

中国は、米国が外交的ボイコットに踏み切ることを念頭に、「もともと、米国の政治家を招いていない」(中国メディア)などと事前に予防線を張ってきた。これは、来年後半の中国共産党大会で習近平総書記(国家主席)が長期政権化を目指す中、自国と習氏のメンツを保つ狙いとみられる。今後、新型コロナウイルスの感染対策を名目に海外首脳を大々的には招かず、ロシアのプーチン大統領など関係が良好な一部の国のトップにとどめるとみられる。

一方、バイデン政権が9、10日にオンライン形式で開く「民主主義サミット」を前に、米欧各国が対中で結束を強めることを強く警戒。北京冬季五輪のボイコット論が、対中圧力をさらに強めることにつながりかねないとみて、対抗措置をちらつかせ切り崩しを図っていくとみられる。