米、北京五輪の外交ボイコット正式発表 中国人権侵害に抗議

【ワシントン=渡辺浩生】米ホワイトハウスは6日、中国による新疆(しんきょう)ウイグル自治区での人権侵害や香港での民主派弾圧に対する抗議の意思表示として、来年2月の北京冬季五輪に首脳や政府使節団を送らない「外交的ボイコット」の実施を表明した。サキ大統領報道官が同日の記者会見で明らかにした。選手団は参加するとしている。バイデン政権は民主主義や人権尊重などを共有する同盟・友邦国との連帯も模索しており、日本も判断が求められそうだ。

サキ氏は記者会見で外交的ボイコットの理由について「新疆ウイグル自治区での継続的なジェノサイド(大量虐殺)と人間性に対する犯罪、その他の人権侵害」と述べた上で、「人権のために立ち上がるのは米国人のDNAだ。われわれには人権尊重を促進する責務がある」と述べた。

中国は冬季五輪を新型コロナウイルスの克服と習近平国家主席の権力を内外に宣伝する重要行事と位置付けており、何らかの対抗措置をとる可能性が高い。今後の米中関係も緊迫度を増す可能性がある。

バイデン政権が9、10の両日に実施するオンライン形式による「民主主義サミット」は人権の尊重と権威主義からの防御などをテーマに挙げている。中国は参加しない。北京五輪の外交的ボイコットは各国の判断に委ねる姿勢だが、中国への抗議メッセージを強めるため何らかの連携が議論される可能性がある。



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