NEC、経済安保担当役員と部署設置

オンラインで取材に応じるNECの森田隆之社長
オンラインで取材に応じるNECの森田隆之社長

NECの森田隆之社長は7日までに、オンラインで産経新聞などのインタビューに応じ、経済安全保障を担当する役員を4月1日付で置いたことを明らかにした。新たに数人規模の「経済安全保障統括室」を発足させ、諸外国の輸出規制やサイバーセキュリティー対策を調査した上で企業経営に直結するリスクを特定し、対応方針を策定する。部門ごとから、全社横断で対応する体制に改めた。

NECは通信や衛星、人工知能(AI)など秘匿性の高いビジネス領域を幅広く展開する。森田社長は「経済安保の視点から問題が生じていないか常にスクリーニング(選別)を行わないとビジネスの継続が難しい」と説明した。

政府は来年の通常国会への経済安全保障推進法案の提出を目指している。柱の一つが、特許の非公開化の制度整備だ。森田社長は「目的を明確化して限定的な運用をされるのではないかと期待している」と述べ、政府に対し、企業活動への影響を抑える仕組みの検討を求めた。特許の非公開化をめぐっては、研究開発意欲の減退やライセンス収入の減少といった影響が懸念されている。

政府が経済安保確立に向けた動きを加速させていることについて、森田社長は「世の中の標準的なレベルになってきたのではないか」と評価した。

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