戦時下の動物園 悲劇を物語る 大阪市内で特別展  

軍犬や戦闘機などの柄が入った戦時下の産着などを見る中学生ら=大阪市中央区
軍犬や戦闘機などの柄が入った戦時下の産着などを見る中学生ら=大阪市中央区

8日は米ハワイ真珠湾攻撃から80年。戦争で犠牲となった動物たちを見つめる特別展「どうぶつのいのちとへいわ~戦時下の天王寺動物園とこれからの未来~」が、大阪市中央区の大阪国際平和センター(ピースおおさか)で開かれている。ゾウを餓死させた悲話が残る東京・上野動物園だけではなく、大阪・天王寺動物園や京都市動物園などでも多くの動物が殺処分された悲劇を伝えている。

天王寺動物園では昭和18年9月~19年3月、10種26頭の猛獣などが殺された。きっかけは欧州で動物園が空襲被害にあったというニュース。「戦災で逃げたら危険だから」と、次々に動物が殺処分された。

上野動物園では銃殺が基本だったが、天王寺動物園は近くに民家が多かったことを考慮し、ヒグマやライオンなどほとんどが毒入りの牛乳や肉で殺された。毒肉を3回はき出したヒョウは最後、絞殺という手段がとられた。

一方、戦意高揚に利用されたのが人気者だったチンパンジーの「リタ」と「ロイド」。記念誌には軍服を着て防空演習に参加したり、模型の銃を担いだりする姿もある。

同展では犠牲になった動物の写真やパネルのほか、戦時下での動物をモチーフにした日用品を紹介。軍犬や軍艦、戦闘機の柄が入った産着、獣医師用の毛刈りバサミ、白いさらし布の結び目にトラを描いた「千人針」などを展示している。

また、京都市動物園にも着目する。「鉄筋コンクリートの飼育舎にいる猛獣は空襲に遭っても脱出の危険はない」などとして動物の殺処分を懸命に避けていた同園。だが、19年3月、軍の命令でヒグマ、ホッキョクグマ、ライオン、トラ、ヒョウなど14頭を銃殺や絞殺、薬殺などで処分した。

同センター主任専門職員の駒井詩子さんは「戦争は動物園にも暗い影を落とした。過去の悲惨なできごとを身近な問題としてとらえてほしい」と話す。

26日まで(月曜休館)。大人250円、高校生150円、中学生以下無料。