中部電、資源循環事業強化へ基盤固め 市川環境HDに出資 圏内でバイオガス発電建設視野

市川環境ホールディングス傘下でプラスチックのリサイクルを手掛ける「エム・エム・プラスチック」の工場=千葉県富津市
市川環境ホールディングス傘下でプラスチックのリサイクルを手掛ける「エム・エム・プラスチック」の工場=千葉県富津市

中部電力は、将来的な拡大が見込まれる資源循環事業を強化する。食品残渣(ざんさ)などを使ったバイオガス発電やプラスチックのリサイクルなどを手掛ける市川環境ホールディングス(HD、千葉県市川市)に27.8%相当を出資した。資本参加を通じて同社の知見やノウハウを生かし、中部電が地盤とする中部地域でバイオガス発電所やプラスチックのリサイクル工場を建設することも視野に入れる。

出資額は明らかにしていない。クボタも同じタイミングで市川環境HD株の27.8%相当を取得。中部電とクボタは取締役を2人ずつ派遣した。両社のほか、市川環境HDの創業家もこれまで通りに出資する。

中部電によると、市川環境HDは昭和46年創業で、令和3年5月期の連結売上高は約150億円。投資会社の日本産業パートナーズ(JIP、東京都千代田区)が管理・運営を行う特別目的会社(SPC)が平成30年に大株主となった。今回、中部電とクボタはこのSPCの株式を共同で取得し、間接的に市川環境HDに出資する形になる。

持続可能な開発目標「SDGs」に対する社会的な関心が高まる中、中部電は自社の経営資源と市川環境HDが培った知見やノウハウを組み合わせることで資源循環事業を加速させ、新たな柱に育てる考えだ。

現状、市川環境HDは千葉県や東京都といった関東地域を中心に事業を展開している。中部電の長屋和彦環境・新領域ユニット長は「中部地域で(資源循環)事業を展開していきたいと考える上で、市川環境HDと共同で拠点を構えることもある」と説明。中部圏でバイオガス発電所やプラスチックのリサイクル工場をつくることも検討する。

中部電は11月下旬、令和12年度までの10年間で1兆円程度の戦略的投資を実施する方針を打ち出したが、このうち2000億円程度を資源循環事業などに振り向けるとした。長屋氏は「(エネルギー事業などの)基盤領域を横に広げていく取り組みの一つが資源循環事業になる」と話す。今回の市川環境HDへの出資はその第一歩と位置付けられる。

一方、クボタは焼却炉や破砕機など廃棄物処理に関する技術や製品を擁している。「資源循環の全般的な取り組みをすでに展開している市川環境HDと連携すれば、当社にとっても新たな課題への気づきにつながる」(広報)と見込む。(森田晶宏)

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