関経連、中間層強化する税制を要望 岸田政権と歩調

関西経済連合会は6日、中間層への支援に重点を置いた税財政施策を政府に求める提言を策定し、公表した。成長と分配の両立で「分厚い中間層」を築くとする岸田文雄政権と歩調を合わせ、中間層の負担軽減や、子育て世代への支援策を盛り込んだ。関西では中間層の収入の落ち込みなどが全国平均と比べても深刻とされ、関経連はてこ入れを急ぎたい考えだ。

提言は、来年夏ごろをめどに政府がまとめる経済財政運営の指針「骨太の方針」への反映を目指している。中間層については、国内総生産(GDP)の5割を占める「内需の柱」と位置づけた。

その税・社会保険料負担軽減に向けては、「給付付き税額控除」の導入を求めた。具体的には、課税額が低く税額控除しきれない場合、その差額を社会保険料からも差し引く。たとえば課税額が10万円の人に対し、15万円の給付付き税額控除を導入する場合、差額の5万円を社会保険料から差し引く。

このほか、企業が賃上げに積極的に取り組むことを促す税制の拡充も要求。「子育て・家事と仕事の両立は、中間層にとり大きな負担になっている」とし、家事・育児関連サービス利用料の一部を所得税の税額から控除することも求めた。

子育て世帯に割引サービスなどを提供する企業や店舗の税制を優遇する新制度の導入や、企業のデジタル化を促進する税制の適用要件緩和、サイバーセキュリティー強化に向けた企業の設備投資への補助金拡充も提言した。政府から独立して財政状況の予測や持続可能性などを分析する新機関の設置検討も主張した。

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