製薬会社「龍角散」(東京都千代田区)元法務担当部長の50代女性が、忘年会での社長のセクハラ行為を調査したところ解雇されたとして、解雇無効の確認と賃金の支払いなどを求めた訴訟は6日までに、東京地裁で和解が成立した。会社側が解決金として6千万円を支払う。和解は1日付。
訴状によると、元部長は平成30年12月、社内の忘年会で藤井隆太社長が女性従業員に抱きついたと聞き調査を開始。31年3月、セクハラ行為を捏造(ねつぞう)し女性従業員に意向と異なる申告をさせたなどとして、同社を解雇された。
訴訟で元部長側は「事実無根で、解雇権の乱用だ」と主張し、会社側は「セクハラではなかった」と争う姿勢を示していた。
元部長の代理人弁護士は取材に「解雇無効を前提に、解決金は定年までの給与補償と考えて和解した」としている。