米中の価値観をめぐる対立の顕在化で両国間の妥協の余地が狭まりつつある。米外交専門誌「フォーリン・アフェアーズ」11・12月号でシカゴ大学のジョン・ミアシャイマー教授は米国が長年、中国の現実から目をそらしてきた結果、両国間紛争は回避不可能な状況に達し、人類は核戦争へのエスカレーションの危機にあると、警告した。
米中対立はそれほど深刻である。決して起こしてはならない核戦争を防ぐため、私たちはかつてないほどの決意で現実を見詰め、責任ある思考を巡らせなければならない。
核戦争の危険を避けるには、米国が恐ろしいほどの軍事力を東アジアに配備し中国を抑止することだとミアシャイマー氏は書いた。岸田文雄首相の持論「核なき世界を目指す」という漠とした考えでは日本および周辺諸国を守り切ることはできない。ではこの危機をどう乗り越えるか。