止まらない半導体不足の悪循環は、こうして起きている

コロナ禍は「過去の出来事」ではない

チップの生産能力を新たに増強する動きは盛んだが、そのほとんどは最先端のチップに使われるだろう。ガートナーが1月に発表したレポートでは、チップメーカーは今年、19年に比べて50%増の1,460億ドルを新規設備に投資すると予測している。しかし、より一般的に使用される旧式のチップが占める割合はわずかである。

理論的には、最先端のチップのための生産能力を増やせば、一部の工場に旧式チップを製造する余裕が生まれるはずだが、需要が供給を上回っている場合はそうはいかない。Sourceabilityのプッチによると、各社は最近になって旧式チップの生産能力増強のための投資を始めたが、それは顧客に2年間の発注を約束させてからのことだったという。

台湾の水不足やテキサス州の異常気象といった問題が生産に影響を与えている様子からも、チップやそれを生産するサプライチェーンへの負担は明らかである。「これらの影響を吸収するために必要な2〜3週間分の在庫の余裕がまったくないのです」とプッチは言う。

ペンシルベニア大学ウォートン・ビジネス・スクール教授のガッド・アロンは、次のように語る。「わたしたちはCOVID-19について過去の出来事のように話しています。しかし、サプライチェーンの現状から見るに、COVID-19は過去の出来事などではありません」


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