花田紀凱の週刊誌ウォッチング

(851)オミクロン株、正しく恐れよ

新型コロナウイルスの新たな変異株「オミクロン株」をめぐり、外国人の入国禁止を表明する岸田文雄首相=11月29日午後、首相官邸(矢島康弘撮影)
新型コロナウイルスの新たな変異株「オミクロン株」をめぐり、外国人の入国禁止を表明する岸田文雄首相=11月29日午後、首相官邸(矢島康弘撮影)

今週の『週刊新潮』(12月9日号)、間違いなく売れるだろう。

「世界が恐慌 新変異株『オミクロン』の謎に答える」をトップに持ってくる編集センスはさすがだ。

南アフリカで感染が急増、WHOが最も警戒度が高い〝懸念すべき変異株(VOC)〟に指定、世界各国でアフリカ南部からの入国制限、日本でも外国人の入国を原則禁止……。

新聞やテレビが連日、騒ぎ立てれば〝コロナ怖い病〟再発も当然だ。

が、〈実態はまだ謎に包まれている〉。

『新潮』、一問一答形式でオミクロンの実態に迫っている。

〈「重症化率が何%、死亡率が何%と数字を出すほど感染者がいないので、まだわからないのが現状(中略)南アでは感染者は急増していても、それに伴って死者が増えているわけではないようです」(東京歯科大学市川総合病院の寺嶋毅教授)〉

新型コロナに関し、一貫して冷静かつ的確な分析を続けてきた唐木英明東大名誉教授(食の安全・安心財団理事長)はこう警告。

〈まだなにもわかっていないのに、各国とも予防的に非常に厳格な対策をとっている。インフォデミック、つまりインフォメーションのパンデミックが起き、人々が恐怖感を抱いているからです。こういうとき、政治家は厳しい対策をとったほうが支持されますが、結果、世界的に株価が下がり、それだけでも大変な損失です〉

正しく恐れよ。これに尽きる。

なんともやり切れない愛知の中学生校内刺殺事件。『週刊文春』(12月9日号)が「総力取材」で迫っているが、原因については結局、何もわからない。

〈「悩みを抱えていたのかもしれませんが、無口な子でしたから。(事件)当日の朝も『行ってらっしゃい』と送り出しました。私のかけがえのない孫で……」〉という祖父の言葉が切ない。

『ニューズウィーク日本版』(12・7)のスペシャルリポート、ミンシン・ペイ氏(クレアモント・マッケンナ大学教授)による「習近平が主導する文革2.0の行方」はタイムリーなリポートだ。(月刊『Hanada』編集長)