深層リポート

宮城発 原寸大か耐久性か 慶長遣欧使節の復元船解体めぐり賛否

解体作業が始まり、船体との連絡橋が外されたサン・ファン・バウティスタ号の復元船=11月10日、宮城県石巻市(大柳聡庸撮影)
解体作業が始まり、船体との連絡橋が外されたサン・ファン・バウティスタ号の復元船=11月10日、宮城県石巻市(大柳聡庸撮影)

今から400年以上前の江戸時代前期、仙台藩主の伊達政宗の指示で欧州に派遣された支倉常長(はせくらつねなが)が率いた慶長遣欧使節。その使節が乗った原寸大の復元船の解体をめぐり、地元の宮城県石巻市で賛否両論が巻き起こっている。復元船は、強度の高い素材を使って4分の1の大きさで造り直すことになったが、市民団体が解体工事の差し止めを求める訴訟に発展。偉業を後世に伝えていくために何をどう残すべきかで揺れている。

市民団体が抗議

「壊すのはもったいない!やめて!」「修理できます!保存して!」

11月10日、宮城県慶長使節船ミュージアム「サン・ファン館」にある木造の復元船「サン・ファン・バウティスタ号」の解体工事が始まると、反対する市民団体が隣接する広場から大きな声を張り上げて抗議活動を行った。

解体作業は全長約55メートルの復元船と陸側のドック棟をつなぐ連絡橋を大型クレーンで撤去する作業から始まった。

今後、船内にある羅針盤などの備品を運び出し、12月中旬にはマストも取り外し3月末には解体作業を終える。復元船があった場所は埋め立てる。原寸大の復元船の代わりに、4分の1サイズの繊維強化プラスチック(FRP)を使った船を造り、展望棟なども改修して令和6年度にリニューアルオープンする計画だ。

解体に反対する市民団体「サン・ファン・バウティスタ号を想(おも)う会」の共同代表を務める足立弦子さん(59)は「解体ありきで、こんな理不尽なことはない。反対運動は続けていく」と憤りを隠さない。