中国、外交ボイコット論に予防線「招待していない」

外交ボイコット論に習近平政権は神経をとがらせている(AP)
外交ボイコット論に習近平政権は神経をとがらせている(AP)

【北京=三塚聖平】北京冬季五輪開幕まで4日で2カ月となった。新型コロナウイルスの新変異株「オミクロン株」の世界的な流行が懸念される中、中国当局は感染防止対策を五輪成功の鍵と位置付けて警戒を強めている。米欧諸国の一部が首脳や政府使節団を送らない「外交的ボイコット」を検討していることに対しては、コロナ対策を理由に「外国の賓客の招待は制限している」と予防線を張るような動きも見せている。

11月末、北京市内の国家体育場(通称・鳥の巣)周辺を訪れると、柵が置かれるなどして封鎖されていた。来年2月4日に開幕する冬季五輪の開閉会式の会場となるが、11月25日から来年3月20日まで一般市民の立ち入りが禁じられた。中国当局は「準備作業のため」と説明するが、コロナ対策の強化も狙いとみられている。

中国各地では10月からインド由来の変異株「デルタ株」の感染が広がり、北京市は11月中旬から市内に入る全ての人を対象に、48時間以内に受けたPCR検査の陰性証明の提示を義務付けた。国家の威信をかけた五輪開催を控え、わずかな感染拡大も許さない「ゼロコロナ」政策を堅持する姿勢を強めている。

注視するのはオミクロン株の流行状況だ。中国本土では4日午後の時点で感染報告はないが、北京冬季五輪組織委員会の趙衛東新聞宣伝部長は3日、「防疫面での安全がなければ五輪成功はない」と強調。オミクロン株について「重大な注意を払い、北京五輪に与える影響を評価しているところだ」と述べた。

観客は中国本土在住者に限ることが決まったが、チケットの販売方法などはまだ明らかにされていない。

習近平政権が神経をとがらせているのがボイコット論だ。米国や英国などは、中国の新疆(しんきょう)ウイグル自治区の人権問題などを理由に外交的ボイコットを検討する。

共産党機関紙、人民日報系の環球時報は11月30日付で、北京冬季五輪に関して「もともと、米国の政治屋を招待していないし、外国の賓客を大掛かりに招く計画もない」とする大会関係者の話を伝えた。コロナ対策を理由とするが、それを口実として米欧の外交的ボイコットが実現した際に備える狙いもうかがえる。

一方、中国は外務省のホームページで、中国外交トップの楊潔篪(よう・けつち)共産党政治局員と2日に会談した韓国の徐薫(ソ・フン)国家安保室長が、北京五輪の成功に向けて支持を表明したと伝えた。