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米、対中「原則論」貫く 調達網や金融規制、企業反発でも断行

バイデン米大統領(AP)
バイデン米大統領(AP)

【ワシントン=塩原永久】バイデン米政権や議会が、中国とのサプライチェーン(供給網)や金融関係を切り離す「デカップリング」を強めている。対中関係を重視する米金融界や産業界には反発があったが、新疆(しんきょう)ウイグル自治区の人権抑圧や、中国軍の近代化を支える対中投資は容認しないとの「原則論」を、貫く方向を鮮明にしつつある。

新疆ウイグル自治区の強制労働が関与した製品を締め出す輸入禁止措置は、トランプ前政権が導入。バイデン政権も引き継いだ。ただし、自治区名産の綿花など、複雑な工程を経るため原産地を追跡するのが困難な製品もあり、アパレル業者など産業界に厳格な禁輸への根強い反発があった。

米紙によると、禁輸を骨抜きにする活発なロビー活動が一時、議会で繰り広げられた。だが、下院で近く禁輸を強化する法案提出の動きが再浮上している。中国への強硬姿勢が超党派の優先課題となった政界の実情が浮き彫りになった。

米政府も規制強化に動いている。米証券取引委員会(SEC)が2日、米国で上場する外国企業への監査基準を厳格化。中国企業を念頭に、米企業と同じ監査基準に従わなければ上場廃止する規制を導入した。

11月には中国の通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)など50を超える組織への証券投資を禁じた措置を、1年延長すると決定。軍事技術に転用可能な民生技術への締め付けを維持した。

SECの監査厳格化は、議会が昨年12月に中国上場企業への規制強化を求める法案を、可決したのを受けた対応とみられる。

立法府が政府の取り組みを方向づけたケースだが、注目されるのは、議会の対中方針に影響力を持つ諮問機関「米中経済安全保障調査委員会」の報告書だ。

11月中旬に公表された最新版は、軍事面で、中国軍が台湾侵攻の初期能力を確保した可能性を指摘。経済面では、米税関当局に対して、新疆ウイグル自治区産品をすべて差し押さえる対応に乗り出すよう求めた。

また、先端技術が中国に流出するのを防ぐ貿易管理体制の強化を要請。米企業による中国企業への投資を審査・監視する制度を、新たに政府内に整備するよう求める提言も行った。

これまでは、中国など外国企業による米企業への投資を審査する対米外国投資委員会(CFIUS)があった。米中調査委の提言は対中投資にも網の目をかける内容で、資本市場で踏み込んだデカップリングを進める方向性を示した。

一方、米政府が厳しい対中締め付けを進める場合、国際貿易で不利な立場に置かれる米企業が、友好国の企業にも同調を求めるよう米政府に働きかける可能性が高く、米政界の動向は日本企業にも影響しそうだ。