関西の中学入試まで1カ月 学校・保護者がオミクロン株に警戒

今年1月に四天王寺中学校で行われた入試会場で問題用紙を配布するマスク姿の試験官(永田直也撮影)
今年1月に四天王寺中学校で行われた入試会場で問題用紙を配布するマスク姿の試験官(永田直也撮影)

新型コロナウイルス禍で2回目となる近畿圏での中学入試まで、残すところ1カ月あまり。前回は都市部を中心に緊急事態宣言が発令される中、厳戒態勢での実施となった。当時と比べて現在の感染者は少ないものの、新たな変異株「オミクロン株」の感染者が国内でも確認されるなど先行きは不透明だ。面接の実施に悩む学校もあり、保護者も学校も今後の感染状況を注視している。

「年明け早々に試験がある遠方の学校の受験はやめることにした」

小学6年の長男(11)の中学入試を控える神戸市の女性会社員(50)はこう話す。入試の雰囲気に慣れるため受験させたいところだが、「寒さが本格化する中で、多くの受験生と同じ教室に集まることはリスクが高い」と判断。ワクチン接種の対象は12歳以上で長男は対象外のため、「手洗い、うがいくらいしか対策ができない」と不安を口にする。

近畿2府4県では来年1月15日、一斉に私立中学の入試がスタートする。大阪府の女子難関校、四天王寺中(大阪市天王寺区)では前回の入試の際、感染対策として、全受験生の検温をし、体温に異常がないことを確認した印としてリストバンドを巻く▽校門内に入れるのは受験生のみに限定▽塾講師による激励は人数を最小限に絞る-といった対応を徹底した。

今回も同様の対策を予定しているが、入学対策部長の山田雅勇(まさお)教諭は「受験生の緊張をほぐすため、感染状況によっては可能な限り対応を緩和したいところ」と話す。気温の低下やオミクロン株による今後の感染拡大の動向を気にかけている。

一方、面接をめぐる対応に苦慮する学校も。関西学院中は一部日程で面接の実施を検討したが、昼食が必要になるため感染リスクが高まるとして今回も中止を決めた。

近畿圏などで教室を展開する大手進学塾「日能研関西」(本部・神戸市)の調査によると、近畿2府4県でこの春に小学校を卒業した児童は17万7188人で、近年は減少傾向が続く。一方で受験率は上昇を続けており、平成27年度入学の入試では9・13%だったが、令和3年度入学の入試では0・51ポイント増え、9・64%だった。

背景にあるのは、コロナ禍での私立中の手厚い学習環境だ。昨春の一斉休校の際、授業のオンライン化が公立と比べてスムーズに進んだ学校が多かった。日能研関西では、入試を控えた小学5、6年の生徒数は例年と変わらないが、4年はこの10年で最多レベルの人数が入塾。1~3年の保護者向けの入試関連イベントも例年より活況といい、私立志向の今まで以上の高まりが感じられるという。

コロナ禍での2度目の入試について、日能研関西の森永直樹取締役は「昨年度に比べれば特別な緊張感はない」という。前回は感染拡大のピークと重なったが、「受験を原因とする感染拡大はなく、コロナ感染で受験できないなどの影響もごくわずかだった」とし、「家庭では健康管理に気を配っている。ワクチンを接種した生徒も多く、大きな混乱はなさそうだ」と話した。(藤井沙織、木ノ下めぐみ)

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