オミクロン株、デルタ株検査であぶり出せ 市中感染封じ込めへ

新型コロナウイルスの変異株「オミクロン株」について、厚生労働省は、オミクロン株の疑いのある変異株を検出するPCR検査の開始を全国の自治体に要請した。検疫での感染確認が続く中、政府は入国制限の強化で国内流入の食い止めを図るが、すでに水際が突破されている可能性も指摘される。警戒レベルを引き上げて市中感染を監視する方針だ。

厚労省はオミクロン株の国内初確認例となったナミビア外交官のコロナ陽性が判明した先月28日、全国の自治体に対し、陽性検体のゲノム解析の実施率を従来の5~10%から引き上げることを要請した。今月2日には「現時点における検査能力を最大限発揮して」実施するよう協力を求めた。

現在、国立感染症研究所がオミクロン株の疑いのある変異株を検出する新たなPCR検査試薬を開発中だが、2日付の通達では、急を要するため、当面は国内主流のデルタ株の検出用に開発した試薬を代用することを明記。この試薬であれば「L452R」と呼ばれるデルタ株に特徴的な変異を検出できるため、「陰性」の場合、オミクロン株の可能性のある変異株があぶりだせる。感染の疑い事例が見つかれば、保健所などでクラスター対策を行い、感染を封じ込めを行う。

オミクロン株は人の細胞に感染する際の足掛かりとなる表面のスパイクタンパク質に約30の変異を有し、感染力が強まったりワクチン効果が低下する恐れが指摘されている。

松野博一官房長官は3日の記者会見で、オミクロン株について、これまでに国内で報告された陽性検体のゲノム解析結果を調べ直した結果、既に公表済みの2人以外に感染者は見つからなかったと明らかにした。

ただ気温が下がり、人の流れも増える年末年始を控える中、オミクロン株が国内に入り込めば市中で感染を広げる可能性がある。

東京医科歯科大の武内寛明准教授(ウイルス制御学)は「市中流行が抑えられ、検査がほぼ100%フォローアップできる今の態勢のうちから、オミクロン株についてしっかりと監視しておくことが大事だ」と指摘している。

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