オミクロン株で年越し暗雲 在外邦人「帰りづらい」

閑散とする関西国際空港の国際線到着ロビー=11月30日(安元雄太撮影)
閑散とする関西国際空港の国際線到着ロビー=11月30日(安元雄太撮影)

新型コロナウイルスの変異株「オミクロン株」の水際対策をめぐり、航空各社に出されていた国際線の新規予約停止要請が一転して撤回された2日、海外の邦人駐在員からは「これで家族に会える」と安堵(あんど)が広がった。ただ感染が拡大すれば再び対策が強化され、帰国が困難になる可能性も。隔離期間を考慮すると「戻りづらい」と明かす人もおり、年越しが見通せない状況が続いている。

「帰国できるかできないかは、在外邦人にとって重要なこと。政府内でしっかり方針を共有してほしかった」。大手海運会社に勤務し、韓国に駐在する男性(32)は、国際線予約をめぐって担当部署間の連携を欠き、迷走を重ねた政府対応に苦言を呈した。

男性はすでに航空券を手配しており、26日に帰国の予定。ただ韓国でもオミクロン株の感染者が確認され、帰国しても指定宿泊施設での6日間の隔離を余儀なくされる。年越しは施設で迎えることになり、「仕方がないが、せっかくの年末年始を自宅で過ごせないのは残念」とこぼす。

インドネシア在住で大手総合商社に勤める男性(24)は8日の便で約5カ月ぶりに帰国する。予約停止の撤回を歓迎しつつも、感染の広がり次第で、どうなるか分からない危惧がある。「親からも『帰国できるのか』と心配されている。無事に帰れることを祈っている」と、変異株のニュースに一喜一憂する日々が続きそうだ。

日系企業のドイツ駐在員の男性(44)は、家族4人での2年ぶりの帰国に向けて航空券を確保していたが「隔離期間や帰国者への風当たりも心配。実際に帰国するか再考している」と明かした。「空港やPCR検査場での感染リスクもある。キャンセル代もかかるし、悩ましい」

一方、米ニュージャージー州に住む50代の邦人男性は「隔離期間を考えるとやはり帰りづらい。周辺にも年末年始の帰国を予定していた人はいない」と、長引くコロナ禍でそもそも往来のハードルが上がっていると話した。(桑村大、石川有紀)

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