光触媒で安心安全提供 カルテック・染井潤一社長

「関西中堅企業の会」の総会で講演するカルテックの染井潤一社長=11月25日午後、大阪市北区(柿平博文撮影)
「関西中堅企業の会」の総会で講演するカルテックの染井潤一社長=11月25日午後、大阪市北区(柿平博文撮影)

大阪市のホテルグランヴィア大阪で11月25日に開かれた「関西中堅企業の会」の令和3年度定期総会で、家電ベンチャー、カルテック(大阪市中央区)の染井潤一社長が「カルテックの光触媒技術による社会課題への取り組み」と題して講演した。カルテックは光触媒を搭載した除菌脱臭機を販売。染井氏は光触媒の技術について「ウイルスや臭いなどを水と炭酸ガスに分解する。安全でゴミも出ず画期的」と説明した。講演の主な内容は次の通り。

私は大学時代に化学の勉強をしていて光触媒に出会った。その後、シャープに入社してスリランカで虫を寄せ付けないLED(発光ダイオード)の実証実験を3年かけておこなった。実験は成功したが、農薬に汚染された井戸水を飲んで子供が亡くなるという日本では考えられない現実を目の当たりにした。何とかしないといけないと考えたとき、光触媒を思い出した。

世界の水を光触媒の力で安全な水に変えたい。そんな思いが強くなって平成30年4月にカルテックをスタートさせた。私どもの思いは人が生きていくための水、空気、食べ物を安心安全なものに変えること。光触媒はSDGs(持続可能な開発目標)のいくつかの項目に直接貢献できる。

光触媒は日本人が発見した。主原料は酸化チタン。その酸化チタンで作ったフィルターに光を当てるとウイルスやカビ菌、臭いなどを分解する。オゾンや次亜塩素酸でも臭いは分解できないので安全性も含めて非常に万能な技術。たとえば食パンを容器の中に放置するとカビが生えてくるが、光触媒の装置を入れておくとカビが発生しない。鮮度を保持する機能もある。日本大学との研究で新型コロナウイルスを無害化できることを確認している。

他社の空気清浄機はたばこなどの臭いの吸着に限界があるほか、空間を除菌する物質を放出するような機能は健康への影響が懸念されている。光触媒は何も出さないので安全性が高い。

今後は食品ロスを防ぐことにもわれわれの技術を活用していきたい。植物工場や魚の養殖場で水の浄化に活用できれば、生産効率を高めることができる。

また、光触媒によって水から水素を取り出す技術が京都大学で研究されている。エネルギー分野にも使えるようになれば、地球上の人が生きていくため必要なすべての要素を安心安全に提供できる技術になるのではないだろうか。

そめい・じゅんいち 昭和36年、奈良県出身。徳島大学大学院化学工学専攻修士課程を修了後、昭和61年にシャープ入社。平成30年4月にカルテックを創業し、令和元年12月に自社ブランドを立ち上げ、光触媒を搭載した除菌脱臭機などの販売を始めた。

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