新型コロナウイルスワクチンの3回目の追加接種が1日、全国各地で始まった。原則として2回目完了から8カ月以降の人が対象となり、まずは医療従事者から開始。来年1月以降、高齢者を中心とした一般住民にも順次拡大する方向で、感染拡大防止や重症化予防につなげたい考えだ。新たな変異株「オミクロン株」に対しては効き目が落ちるとの懸念の声があるが、政府は重症化予防などに一定の効果があるとみて接種事業を進める。
1日午前、東京都目黒区の国立病院機構東京医療センターや愛知県豊明市の藤田医大病院など各地で医療従事者に3回目接種が行われた。
東京医療センターを視察した堀内詔子ワクチン接種推進担当相は、取材に対し「地域の皆様方が安心して3回目接種に進めるよう努めていきたい」と話した。
安堵も「不安はある」
コロナ対応に当たる医師や看護師は安堵した様子。一方で新たな変異株「オミクロン株」への不安の声も聞かれた。
東京医療センター(東京都目黒区)では午前9時前から、新木一弘院長ら医師と看護師計18人が相次いで接種を受けた。新木院長は「順調に始められ、ほっとしている」と強調。オミクロン株については「知見が集積していく段階。デルタ株などには有効と言われており、3回目接種は大変重要だ」と述べた。
午前10時から接種が始まった藤田医大病院(愛知県豊明市)。会場はこれまでも優先接種や大規模接種で利用しているため、混乱はなく、予診票のチェックや問診を済ませてからブースで注射を受けていた。
看護師の浅野佑実さん(25)は「第6波がいつ来るか分からない中、打てて良かった」とほっとした表情をみせた。ただオミクロン株に関しては「(ワクチンが)対応できるのか明らかでなく、不安はある」と話した。