主張

立民代表に泉氏 「共産共闘」決別できるか

立憲民主党代表選に勝利した泉健太氏(左から2人目)を、枝野幸男前代表(中央)や出馬した3候補が祝福した=11月30日午後、東京都港区(三尾郁恵撮影)
立憲民主党代表選に勝利した泉健太氏(左から2人目)を、枝野幸男前代表(中央)や出馬した3候補が祝福した=11月30日午後、東京都港区(三尾郁恵撮影)

立憲民主党代表選で逢坂誠二氏との決選投票を制し、泉健太氏が新代表に決まった。

結党後初めて「党員参加型」で実施した代表選である。47歳の泉氏は立候補した4人の中で最も若く、衆院当選8回で党政調会長も務めた。世代交代への期待と、政策通としての評価が泉氏の勝利につながったのだろう。

残念なのは、与党から政権を奪取するという気迫が伝わってこないことである。そのためには、まずは共産党と決別できるかどうかを明確にしなければならない。

泉氏は代表選後の会見で、先の衆院選で合意した共産党との「限定的な閣外からの協力」について、「単に継続ではなく、総括してから考える」と述べ、「前回の衆院選に向けて交わしたもので、現時点で何かが存在しているという考えはない」と語った。共産と組むのか、組まないのか分かりづらい。そこがあいまいなままでは、国民の理解は得られまい。

立民に欠けているのは、安全保障など国の根幹にかかわる理念や政策について大きく考えの異なる共産と共闘した節操のなさに、有権者がノーを突きつけたという認識である。与党側から「立憲共産党」と批判され、惨敗した要因の一つである。その反省なしに党勢の拡大は難しかろう。

泉氏は健全な日米同盟が基軸というが、党公約は米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古への移設に反対だ。普天間飛行場の危険性除去という現実問題を直視せず、同盟国との合意をひっくり返すような政党に、政権は任せられまい。覇権を追求する中国とどう向き合っていくのかも、十分には語られなかった。

泉氏は政策提案型の党運営も訴えた。与党に是々非々で論戦を挑むべきは当然である。「何でも反対」と揶(や)揄(ゆ)された枝野幸男前代表の路線から脱皮できるのか。それが実行できなければ政権奪取はおろか、党再生も不可能だと肝に銘じるべきである。

民主主義国家には、与党と対(たい)峙(じ)する健全な野党の存在が不可欠である。だが、代表選を通じて、政権を取ったときに日本をどうしたいのかについて論議が深まったとは言い難い。大切なのは明確な国家像と、それを実現するための現実的な政策である。泉氏に問われるのは、それを確実に打ち出していく指導力だ。

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