緩和縮小の加速「適切」 FRB議長、物価高「一時的」は撤回

【ワシントン=塩原永久】米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は11月30日、量的金融緩和策の段階的な縮小を終える時期を「数カ月、早めるのが適切だ」と述べた。国債などを買い入れる景気支援策の終了を前倒しし、景気過熱とインフレを制御するための利上げに備える構えだ。パウエル氏は、物価上昇が「一時的だ」とする従来の見解を「撤回するよい時期だ」と指摘し、インフレ持続に警戒感を示した。

パウエル氏は上院銀行住宅都市委員会で証言。量的緩和の縮小加速を12月14、15日の連邦公開市場委員会(FOMC)で協議するとした。

FRBは11月、量的緩和の資産購入額を月150億ドルずつ減らし、来年半ばに資産購入を終える計画を示した。毎月の減額幅を増やせば、来年夏と見込まれた縮小終了が、来年春に早まる可能性が出てくる。

パウエル氏は「物価上昇圧力が高まっている」と指摘。雇用改善が続き、消費も力強いと説明し、高い物価水準が続くリスクがあると認めた。これまでは、新型コロナウイルス禍からの景気の急回復に伴う物流停滞などの「一時的なインフレ要因」は、いずれ解消に向かうとしていた。

量的緩和の縮小加速により、物価上昇を抑え込むため早めに事実上のゼロ金利解除(利上げ)に踏み切る余地が生まれる。パウエル氏は、雇用回復を後押しする金融緩和重視のスタンスから、インフレを抑制する引き締め方向にかじを切るる姿勢をにじませた。

一方、パウエル氏は新型コロナの新変異株「オミクロン株」について、「雇用と経済を下押しするリスクだ」と話した。ただ、経済への影響に関しては、厳しい感染症対策が実施された昨年春に匹敵するような打撃は、現時点では見込んでいないとの見解を示した。

会員限定記事会員サービス詳細