「台湾有事は日米安保の有事」安倍氏講演にメディア関心

台湾のシンクタンクの招待を受け、オンラインで講演する安倍元首相=1日、台北(共同)
台湾のシンクタンクの招待を受け、オンラインで講演する安倍元首相=1日、台北(共同)

【台北=矢板明夫】安倍晋三元首相は1日、台湾のシンクタンク、国策研究院文教基金会が主催するシンポジウムでオンライン講演し、「(中国による)台湾への武力侵攻は必ず日本の国土に対する重大な危険を引き起こす。台湾有事は日本有事であり、日米同盟の有事でもある」との認識を示した。

安倍氏はこの日「新時代の日台関係」と題して講演を行った。台北の会場には鄭文燦・桃園市長、林智堅・新竹市長ら与党・民主進歩党の次世代リーダーや複数の国際関係学者が出席し、安倍氏に質問するなど意見交換した。

安倍氏は講演で中国の脅威について「最近30年、中国の軍事費は42倍に増え、日本の防衛予算の4倍もある」と指摘した上で、それに対抗するために日本と台湾は「自身の防衛能力を高め、確固たる意志を示す必要がある」と強調した。

台湾の国際組織への加盟問題について、安倍氏は台湾の環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)や世界保健機関(WHO)への参加支持を表明し、「台湾の国際的地位を一歩一歩、向上させるお手伝いをしたい」と語った。「自由で人々に人権を保障する台湾は、日本の利益であり、世界全体の利益でもある」と強調した。

経済分野の日台協力については「半導体などで日本と台湾はそれぞれに得意分野があり、いざというときに安心して確実に供給が確保される態勢を構築することが大事だ」と語った。

台湾各紙は同日、電子版などで安倍氏の講演の詳細を大きく伝えた。講演を聞いた民進党関係者は「林芳正外相が近く中国を訪問する可能性が伝えられ、台湾で今後の日台関係について不安視する意見も聞かれたが、安倍氏の話を聞いて安心した」と話している。