特別展・貝殻旅行-三岸好太郎・節子展- 作品解説㊦ 生命力を持って迫る白い花

三岸節子《白い花(ヴェロンにて)》 1989年 一宮市三岸節子記念美術館蔵 ©MIGISHI
三岸節子《白い花(ヴェロンにて)》 1989年 油彩、キャンバス 一宮市三岸節子記念美術館蔵 ©MIGISHI

29歳のときに夫の好太郎を亡くし、節子は洋画家として3人の幼い子供たちを育てることとなる。盛んに作品を発表し、やがて女性画家として新時代を築いていった。

1968年、節子は2回目の渡仏を果たす。一時帰国を挟みつつも、20年にわたるヨーロッパ滞在となった。74年にはブルゴーニュ地方の小村ヴェロンに自邸を購入した。同地の名を冠した本作には、花と壺(つぼ)という節子がたびたび取り上げたモチーフが描かれている。

節子は特に白い花を好み、「そのときのさまざまな心の動きをこめて描く」と語っている。背景の均一な緑の色面と対比するかのように、花は筆触を生かして表現されている。抽象的に描かれた花々の白が生命力を持って迫ってくる。(神戸市立小磯記念美術館 学芸員 多田羅珠希)

「貝殻旅行―三岸好太郎・節子展―」は、神戸市立小磯記念美術館(神戸市東灘区)で、2021年11月20日(土)~2022年2月13日(日)に開催

>展覧会の詳細(神戸市立小磯記念美術館)