企業の2割が人権問題に未対応 経産省のアンケート結果

経済産業省=東京都千代田区
経済産業省=東京都千代田区

日本企業の世界的なサプライチェーン(供給網)上の人権対応を把握するため経済産業省は30日、人権に対する取り組み状況の調査結果を公表した。この中で、全回答の約2割に相当する160社が、人権方針の策定も調査・予防策の実施のいずれもしていないことが分かった。中国の新疆ウイグル自治区で綿製品が強制労働により生産されているとの懸念が高まる中、人権を尊重した企業対応が世界的に重視されている。経産省は結果をふまえ、関係省庁と連携しながら政策対応を急ぐ考え。

萩生田光一経産相は30日の閣議後会見で、企業が取り組むべき改善の余地があることが明らかになったとした上で、「取り組みが進んでいない企業への周知啓発や、国際協調のあり方を含め政策措置を検討していきたい」と述べた。

今回の調査では、全体の7割が人権尊重に関し、人権方針の策定や明文化をしていると回答。策定している企業のうち、9割弱が経営トップなど企業の最上層レベルの承認を受けているとし、6割弱が内外の専門家から情報提供を受けるなどの対応をとっていると回答した。

一方、人権に対する調査や予防策を指す「人権デューデリジェンス(DD)」を実施している企業は5割強に上った。未実施の企業のうち約3割は「実施方法が分からない」、「十分な人員・予算が確保できない」と理由を挙げた。

このほか、6割弱が人権に関する部署や委員会などの組織を持っているほか、5割強が人権に関する取り組みの情報公開を行っていると回答した。

アンケートは9~10月に東証1部、2部上場企業など約2800社を対象に行い、760社から回答があった。

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