主張

新変異株対策 入国管理徹底で国民守れ

新型コロナウイルスの新たな変異株「オミクロン株」の感染が海外で急拡大している事態を踏まえ、岸田文雄首相が水際対策強化を発表した。

外国人の入国禁止措置を、30日午前0時から当面1カ月間、全世界に拡大する。

政府は27日、オミクロン株が見つかった南アフリカや周辺の計6カ国からの入国者に政府指定の宿泊施設での10日間待機を義務づけた。28日には3カ国を追加した。だが、十分でないと判断し、対策を強めた。

日本人帰国者らについては、南アフリカやオランダなど23カ国・地域から帰国する場合、政府の指定する宿泊施設で3~10日間、待機させる。

厳しい水際対策は、感染症から国民を守るために必要だ。

国内の第5波が収まったことを受け、政府は11月に入って、留学生や技能実習生の入国を条件付きで再開し、ビジネス目的の新規入国の待機日数も短縮した。1日当たりの入国者数の制限を3500人から5千人程度へ引き上げ、観光目的の入国再開のタイミングを検討していた。

だが、オミクロン株の登場で日本のコロナ対策は練り直しを迫られた。政府と自治体は頭を切り替え、臨機応変に対応すべきだ。

各国の政府や研究機関、新型コロナワクチンの製造会社は、オミクロン株の感染力や重症化の程度、既製ワクチンの有効性などの分析、検証を急いでいる。

オミクロン株の脅威の度合いが判明すれば、より的確な対応をとれる。ワクチンの3回目接種の加速や、新しいワクチンの開発が必要になるかもしれない。今から備えておくことが肝要だ。

水際対策の実効性をあげることは今、何より重要である。宿泊施設での待機が順守されるよう、チェック体制を強化すべきだ。これまでも要請に従おうとしないケースがあった。香港では、待機施設での感染が疑われる事例も出ている。施設内の感染対策にも万全を期してほしい。

日本人帰国者らが宿泊施設で待機する「厳格な隔離」は、限定された国・地域にとどまる。その他は自宅待機が原則だが、同様に全世界対象でなくて大丈夫なのか。新型コロナ流行の初期に、欧米から帰国した日本人への水際対策が不十分で、ウイルス流入を招いたことを忘れてはならない。