新潟の洋上風力、協議会議論のポイント 東大・松本客員准教授に聞く

新潟県胎内市沖の洋上風力発電設備の設置イメージ(同県洋上風力発電導入研究会村上市・胎内市沖地域部会の資料より)
新潟県胎内市沖の洋上風力発電設備の設置イメージ(同県洋上風力発電導入研究会村上市・胎内市沖地域部会の資料より)

国は再エネ海域利用法に基づき、新潟県の村上市・胎内市沖を洋上風力発電の開発有望区域に選定した。今後、国を事務局に、県、関係自治体、漁業関係者、有識者などからなる法定協議会が設置され、開発への合意形成を図っていくことになる。秋田県内の3つの協議会に参加実績がある東大教養学部の松本真由美客員准教授に、協議会の議論をスムーズに進めるためのポイントなどを聞いた。

ハタハタに配慮

--秋田県内の協議会ではどのような議論が行われましたか

「協議会の役割は、洋上風力の開発に向けて、漁業関係者などの利害関係者の間で合意形成を図ることです。秋田県由利本荘沖の協議会の会合では漁業組合からの強い要望により、洋上風力発電設備の設置が秋田名物の魚ハタハタの生態に与える影響について専門家から説明していただきました。ハタハタへの影響については過去に事例がなく、不明とのことでしたが、ハタハタの生態に配慮して設置することで合意が得られました」

「このほか、洋上風力の売電収入の一定割合を積み立て、漁業や地域のために活用する基金の設置を議論したり、有望区域を対象に国が行う風況調査や海底地盤調査などについて説明したりします。議論の様子は動画投稿サイト『YouTube』で中継され、公開されました」

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