「近畿の水がめ」琵琶湖がピンチ 水位低下で漁に影響

マイナス123センチを記録した6年の渇水時には湖岸が干上がり、貝類や沈水植物が死ぬなど生態系に大きな影響が出た。滋賀県水産課によると、今後も雨の降らない状況が続けば、産卵のピークを迎えたサケ科の琵琶湖固有種「ビワマス」の卵が死んだり、川で暮らす稚魚の生息場所がなくなったりする恐れがある。

県漁業協同組合連合会によると、今年はアユの産卵が好調で、大きさもよい傾向だった。アユ漁は12月から始まるが、水位低下が続けば成長が鈍る恐れがあり、来春のニゴロブナやホンモロコなどの産卵への悪影響も懸念されるという。

坂本城石垣も出現

琵琶湖の水位低下で露出した坂本城跡の石垣=令和3年11月18日、大津市下阪本
琵琶湖の水位低下で露出した坂本城跡の石垣=令和3年11月18日、大津市下阪本

一方、戦国武将・明智光秀が築いたとされる坂本城跡(大津市)では、普段は水面下に沈んでいる石垣が露出した。県によると湖上に現れたのは19年以来。大津市は文化財保護の観点から今月16日、石垣に触れないよう呼び掛ける注意書きを設置した。ボランティアガイドを務める「坂本城を考える会」の山本正史事務局長(80)は「初めて見ることができて感動しているが、これ以上水位が下がるのは心配だ」と話す。

マイナス75センチまで低下した場合、滋賀県は渇水対策本部を設置し、県内に節水を呼び掛ける。琵琶湖の水は河川を通じて京都、大阪、兵庫の各府県でも利用されている。マイナス90センチ程度に達すると、同局や流域府県とともに琵琶湖・淀川渇水対策会議を設け、14年以来19年ぶりとなる取水制限の可否が検討される。

【琵琶湖の水位】東京湾平均海面(T.P.)を基準とし、T.P.84・371メートルを琵琶湖の水位ゼロセンチとしている。滋賀県などによると、琵琶湖の面積は約669・26平方キロメートルで、水位1センチはアリーナ容積が約120万立方メートルの京セラドーム大阪(大阪市西区)約5・6杯分に相当する。

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