「近畿の水がめ」琵琶湖がピンチ 水位低下で漁に影響

琵琶湖の水位「マイナス68センチ」を示す電光掲示板=令和3年11月30日午前、大津市瀬田
琵琶湖の水位「マイナス68センチ」を示す電光掲示板=令和3年11月30日午前、大津市瀬田

「近畿の水がめ」である琵琶湖の水位が平成19年以来14年ぶりの低水準となり、さまざまな影響が出始めている。漁獲量が減り、船のスクリューが破損し、普段は湖底に沈んでいた坂本城跡が湖面に姿を現した。国土交通省近畿地方整備局琵琶湖河川事務所によると、30日午前6時時点の水位はマイナス68センチ。さらに水位が低下すれば、近畿各府県への取水制限に発展する恐れもある。

シジミ漁獲半分に

「漁のできる場所がどんどん狭くなっている」

琵琶湖から流れ出る瀬田川で漁をする瀬田町漁協組合長の吉田守さん(76)は、すでに影響が出始めていると指摘する。水位が下がったことでシジミの生息場所が変わり、収穫量は通常時に比べ半減。水位を調節する瀬田川洗堰(あらいぜき)の放流量も抑えられており、吉田さんは「シジミの栄養となるプランクトンが十分でなく成育にも影響するかもしれない」と嘆く。

船の航行にも影響が出ている。琵琶湖汽船(大津市)は湖の北部に浮かぶ周囲約2キロの竹生(ちくぶ)島(滋賀県長浜市)の港で、3つある桟橋のうち1つで発着する船の乗降位置を変更した。水位が低下し、従来通りだと利用客らが安全に乗り降りできないためだ。すでに車いすや自転車の積み降ろしはできなくなっている。

同社の川崎和彦さん(55)は「この先、船の2階部分から乗り降りしないといけない可能性が出てくる」と気をもむ。

ビワマスもピンチ

琵琶湖唯一の有人島として知られる沖島(近江八幡市)への定期船「おきしま通船」でも、港の浮桟橋と陸地をつなぐスロープの傾斜が急になった。防波堤の位置が高くなり、船からの見通しが悪くなっているという。同社代表の冨田甚一船長は「島内の小学校へ給食を運ぶための桟橋に着岸できなくなる恐れがある」と懸念する。

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