フランスの国民議会(下院)は29日、世界保健機関(WHO)など国際機関への台湾の参加を支持し、政府に対して実現に向けた外交努力を強化するよう求める決議案を賛成多数で可決した。上院は既に同様の決議を5月に可決している。
審議に出席したルモワンヌ外務副大臣は、中国の反対で台湾がWHOに参加できなくなっていることに関し「遺憾だ」と述べて決議に同調。中台間の軍事的緊張の高まりに「強い懸念」を表明した。航行の自由を訴え、フランス海軍の情報収集艦が10月に台湾海峡を航行したことも明らかにした。
決議を主導したマクロン大統領の与党、共和国前進(REM)に属するドルジ元環境相は「台湾はアジアで特に民主主義が成功している」と指摘。国際機関への参加はフランスが支持する「一つの中国」の原則に反しないとの認識を強調した。
10月にはフランスの上院議員団が台湾を訪問し、中国は強く反発した。(共同)