ホンジュラス大統領選 親中派と親台派の事実上の一騎打ち

ホンジュラス・サンペドロスラで演説する大統領選候補のシオマラ・カストロ氏=20日(ロイター=共同)
ホンジュラス・サンペドロスラで演説する大統領選候補のシオマラ・カストロ氏=20日(ロイター=共同)

【ニューヨーク=平田雄介】中米ホンジュラスで28日、エルナンデス大統領の任期満了(来年1月)に伴う大統領選が行われた。世論調査では、中国との国交樹立を選挙戦で唱えた左派野党連合シオマラ・カストロ氏(62)と、台湾との外交関係を維持してきた中道右派与党のナスリ・アスフラ氏(63)による事実上の一騎打ち。カストロ氏当選の場合の対中関係の行方が注目されている。

直近の世論調査の一つではカストロ氏がアスフラ氏を支持率で17ポイント上回った。ただ別の調査ではアスフラ氏がわずかに上回ったものもあり、接戦になる可能性もある。

カストロ氏は、2006~09年の在任中に中南米左派政権との関係を強めたセラヤ元大統領の夫人。10月中旬に左派連合を結成するまで「当選すれば中国と外交・通商関係を結ぶ」と繰り返していた。

台湾の蔡英文総統は今月13日のエルナンデス氏との会談でホンジュラスの引き止めを図った。ロイター通信によると、米政府も先週カストロ、アスフラ両陣営と接触し、ホンジュラスと台湾の外交関係の維持を望む希望を伝えた。中国外務省は米国が「強い圧力」をかけたと批判した。

ホンジュラスをめぐる米中台の外交戦が活発化する中、カストロ氏の側近は対中関係に関する「最終的な決定はしていない」とロイターの取材に答えた。カストロ氏の側には米中のはざまでホンジュラスの利益を最大化する狙いがあるとみられている。一方のアスフラ氏は、台湾との関係を維持する現政権の方針を踏襲するとみられている。

ホンジュラス大統領選には15人が立候補。新大統領の任期は4年で、来年1月27日に就任する。

台湾が外交関係を持つのは現在15カ国。このうち8カ国が中米・カリブ海に集中しているが、17年にパナマ、18年にエルサルバドルとドミニカ共和国がそれぞれ台湾と断交して中国と国交を樹立するなど、中国の存在感が高まっている。