南ア、渡航制限に反感 オミクロン株発見で「処罰」

28日、南アフリカの空港で、新型コロナウイルスの新たな変異株による運航中止などで閑散とする国際線カウンター=ヨハネスブルク(ロイター)
28日、南アフリカの空港で、新型コロナウイルスの新たな変異株による運航中止などで閑散とする国際線カウンター=ヨハネスブルク(ロイター)

【カイロ=佐藤貴生】新型コロナウイルスの新たな変異株「オミクロン株」を世界で最初に発見、報告した南アフリカのラマポーザ大統領は28日、世界各国が相次ぎ南アやアフリカ南部からの渡航を制限したことについて、「科学的根拠に基づく判断ではない」と強い失望感を表明し、早期撤回を求めた。

ラマポーザ氏は南アが不当な差別の犠牲者になったとも主張した。ロイター通信によると、同国ではオミクロン株の存在を確認し、警告を発したにもかかわらず、渡航制限などの「処罰」を受けたという反感が広がっている。

南アの著名医師、アブドル・カリム氏は29日、オミクロン株の感染者がすでに10カ国以上で報告されている中で渡航制限の効果はないとの考えを示した。同氏は国内の同株感染者が今週末までに1日当たり1万人を超えると予測。最初にオミクロン株が見つかったのは隣国ボツワナで南アはその後だったとも述べた。

世界保健機関(WHO)はオミクロン株を「懸念される変異株(VOC)」に指定する一方、当初は渡航制限を性急に決定しないよう各国に求めていた。ただ、昨年初めに中国で新型コロナ感染が拡大した際には、情報開示の遅れなどで各国の初動対策が後手に回り、感染が世界に広がった経緯がある。

28日夜から全外国人の入国を2週間禁止したイスラエルの保健省は、この間に既存のワクチンがオミクロン株にどれほど効果があるかを調べる方針を示した。

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