特別展・貝殻旅行―三岸好太郎・節子展― 作品解説㊤ 造形美と詩情調和「時」を感じ

三岸好太郎《のんびり貝》1934年 油彩、キャンバス  北海道立三岸好太郎美術館蔵
三岸好太郎《のんびり貝》1934年 油彩、キャンバス  北海道立三岸好太郎美術館蔵

桃色の砂地の上で、優美な曲線のシャコ貝が、堂々たる存在感を示している。長い影が夕刻を暗示しているが、造形美と詩情が調和する画面には、時の留まりが感じられよう。

北海道生まれの三岸(みぎし)好太郎(1903~34年)は、画家を目指して上京。前衛的でロマンチシズムあふれる絵画世界を切り開いた。幻想性に満ちた本作は、独立美術協会の第4回展で発表された後、学生時代の友人を介して高値で売れたという。気を良くした好太郎は、妻で洋画家の節子(1905~99年)を誘い、「貝殻旅行」と称して関西周遊の旅に出る。

2人の出会いから100年を記念した本展では、近代洋画史上最も有名な夫婦の作品80点余と貝殻などの資料を紹介する。(神戸市立小磯記念美術館 学芸担当係長 廣田生馬)

「貝殻旅行―三岸好太郎・節子展―」(産経新聞社など主催)は、神戸市立小磯記念美術館(神戸市東灘区)で、2021年11月20日(土)~2022年2月13日(日)に開催


>展覧会の詳細(神戸市立小磯記念美術館)