女性の健康の悩み解決 フェムテックに脚光

女性特有の健康課題をテクノロジーを用いて解決する「フェムテック」と呼ばれる製品やサービスが注目されている。女性の社会進出が進んだことで、月経や妊娠・出産などにまつわる悩みを個人的な問題として片づけず、組織として向き合う企業が出てきたことが大きい。「フェムテックの推進」は政府の成長戦略にも盛り込まれており、市場拡大の機運は急速に高まってきた。

オンライン婦人科診察アプリ「スマルナ」を運営するネクイノ(大阪市北区)とNTTコミュニケーションズ、経営コンサルティング会社のアーク・イノベーション(東京都千代田区)は29日、フェムテック分野で業務提携すると発表した。

利用者の同意を得た上で、スマルナで収集した診療データなどをNTTコムが開発したプラットフォーム(基盤)で蓄積・加工・分析し、アーク・イノベーションが新たな事業モデルの構築を支援する。まずは複数の保険会社などと女性向けのがん保険の開発の検討を進める。スマルナを通じたがん予防のアドバイスも行う。令和4年度の提供開始を目指す。

ネクイノの石井健一社長は女性の健康課題について「病気にならないためのアプローチについては、日本の制度やインフラは世界の水準に追い付いていない」と訴える。ほかにもこの仕組みを使って新たなビジネスの創出を目指す考えだ。

フェムテックは「female(女性)」と「technology(テクノロジー)」を組み合わせた造語。月経や妊娠・出産、更年期障害など女性特有の悩みをテクノロジーで解決する製品やサービスのことで、デンマーク出身の女性起業家が考案した。

「フェムケア」と呼ばれる周辺の製品・サービスと合わせて、日本でも次々と関連ビジネスが生まれている。今月中旬には、心斎橋パルコ(大阪市中央区)にフェムテック専門店が入る医療モールがオープンした。女性が無理せずに働ける環境が整えば、女性の正規雇用の増加や出生率の向上が期待できる。7年に年2兆円規模の経済効果を見込む試算もあり、活況が続きそうだ。(米沢文)